2009 年 8 月 27 日

完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ> 090827

今週は外出しなければ行けない用事が立て続けにあったもので、コラムの方はサボっちゃいましたが、ヒミケンはちゃんと書こうと思います。

「電撃ホビーマガジン」に『完全変形シュロウガ』が載ったので、そっちの方の話を書こうかとも思いましたが、最近は『完全変形マニューバ・ブレード』の話を書くのが楽しくなってきちゃったので、またそれにしましょう。

さて、コックピットの話。

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様々な乗り物やメカの説得力というのはどんなことで出るでしょう?
バイクの場合、車輪が二つ付いている、という声が聞こえてきそうですね、確かに正解。
ただし、マニューバ・ブレードの場合は三輪ですけど。
 
それ以外にも重要なファクターがあって、たぶん人間/ライダーが乗っているのがそれだと自分は思います。
以前、自分も乗っていただけにそんな風に思うのかもしれませんが、とにかくライダーとワンセットで目に入らないと、落ち着かないのです。
 
この話は以前にも書いたので、重複しちゃうんですけど、それだけ大事な部分だと思います。
 
実際、総監督の荒牧伸志氏はじめ、制作スタッフに至るまで色々な方に立体物を見ていただきましたが、必ずと言って良いほど操縦席のキャノピーが開いてライダーが乗ってるのを見て、喜ばれてましたから。
デザイナーさんご本人はおいておくとしても、誰もが、人間の乗っているところを目にして、本能的に乗り物としてのリアリティを感じるのかもしれません。

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ただ、自分は閉所恐怖気味なので、実際にあの狭いコクピットの中にいるのはたぶん無理。
パワードスーツ型に変形するか、顔だけでも外に出せてるタイプのがいーです。
どーでもいー話ですが。

さてさて、それでは実際の設計と製作作業の方はどうだったでしょうか?

この場所は、前回解説した腕部のロック機構を含めた胸全体をスライドさせるモジュールが必要になるところです。
頭部の収納/展開をする場所でもあります。

キャノピーのデザイン画では前半部に2本のレールっぽい溝があり、たぶん、荒牧氏はこの溝に沿って頭部がスライド移動を行う、というような動きを考えておられたのではないかと思います。
ただ、ミニチュアサイズでのレールへの保持や腕部のロック機構との
使用空間の重複でこの方法は取れません。
結果、胸の裏側に回転して張り付き、展開時には胸と頭部の二つのギリギリの回転運動でコックピット上に展開させることにしました。

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とにかく、この胸のスライド運動は絶対必要になるので、コックピットの中まで突き抜ける構造でなんとか入れることができました。
幸い、内部のライダーの搭乗姿勢は一般的なバイクと同じ状態なので、レールをまたぐような形になりました。

しかしながら、さらにもう一つスライドが必要です。

今度は、コックピットの後部キャノピー自体が後ろにスライドして開くようにしなければいけません。
前でも書いたように絶対にね。

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デザイン画ではたぶん外周のエッジを使ったスライド機構を荒牧氏は考えておられたと思うのですが、これもサイズ/強度的に無理。
前半部と同じようにライダーがまたぐ形でのスライド機構にしました。
二重にスライドレールをまたいでいる形になりますね。
大変だなあ、サイキ。
 
実際の作業としては、できるだけ、コクピット内の空間を開けるように心がけて機構のみを先に設計し、組み上がって残された空間に合わせてライダーの形を造形しました。
さすがにあまりにもキャパがキチキチ過ぎて、設計レベルでは空間を把握しきれなかったためです。
なので、造形されたライダーの姿勢が窮屈そうに見えるのは実際、ものすごい窮屈だからです。
この辺の作業は、干渉する場所を確認しては削り、の作業の繰り返しですごく根気がいりました。

あらあら、今回は大長編になってしまいました。
とりあえず今日はこの辺にしときましょう。

今回は以上!

by 高島

©2008 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc

2009 年 8 月 20 日

完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ> 090820

今日は『完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ>』の話の続きです。

前回は前輪と肩周りの変形コンセプトについての話をしましたが、今回は構造の話にしましょう。

前にも書きましたが、腕/肩ユニットは胴体への接続場所が、バイク形態のときとロボット形態のときで違っています。
ユニットが形態によってくっついたり離れたりしなければならず、立体を作る立場にはつらいデザインです。
設計のアイディアを練っている当時は、どうしたものかと途方に暮れました。

そのときに突然気が付いたのは、このデザインはバイクからロボットへ変形をするには非常にムダのないデザインだということです。

通常、何かのユニットが別の場所へと移動するにはアームなりスライド機構なりの移動モジュールが必要ですが、マニューバ・ブレードの場合は、実際の腕のパーツが文字どおり移動用のアームとして機能するわけです。
他には何も必要なし。
もともと関節として複雑な動きができるようになっているので、変形時の複雑な動きにも当然対応できます。

 

バイク時は手首側が胴体に接続していますが、どういう風に接続してるんでしょうか・・・
答えは簡単、手が胴体側のパーツを握っているんです。
で、バイク時でのこの接続部分のリリースはパッと手を離せばいいだけ。
ウ〜ン、シンプルだ・・・
感心しました。
ただ、立体化の仕事をするにはシンプル過ぎて取りつく島がありません。

ミニチュアの手の握力に、車体全体を維持するような力は求められません。
そのため、手首と入れ替わりに接続用のボルトが腕の中から出入りする機構を考えました。
この腕ユニットのボルトのホールド/リリース(握ったり/離したり)は、本体胸部モジュールをスライドさせることにより機能させています。
ついでにこのスライドの動きで、バイク時には裏返っている頭部が180°ドンデン返って現れるためのストロークを得るようにさせました。
一石二鳥!

 

さらに、バイク時の車体(ボディ胸部)横に取り付けてある各武装が非常に邪魔です。
この場所は、ロボット形態時には肩である前輪がザコッ!と噛み込むところなので、武装が接続されたままではこの動きができません。
もちろんこのパーツも変形時、一旦外したあと路上に置いてー、なんて動きはできません。

以前、メカデザインをされた荒牧伸志氏にこの点を質問したところ、まず左右に割れた前輪が近づいて、裏側に武装をぺたっと張り付けて本体側から移動させた後、今度は前輪自体が本体横のドッキングモジュールに接続し直す、とのこと。

一応、デザイン上の答えはいただきましたが、言われた通りに前輪がぺたっとは簡単にはいきません。
結局、武装自体にも、起き上がって前輪裏側に接続をする補助ギミックを入れました。
これでなんとか本体側から前輪裏側への武装の受け渡しができるようになりました。

まったくね、こだわると大変な思いをしちゃうわけですが、まあそこがウチの作品のギミックの面白さの源なわけなんで、やめるわけにはいきません。

はい、ということで、腕の話はおしまい!

今回は以上!

by 高島

©2008 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc

2009 年 8 月 6 日

完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ> 090806

え〜、ひさしぶりに『完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ>』の話をしようと思います。

先日、マニューバ・ブレードの「アニマックス・ショップ」限定バージョンのテレビコマーシャルの撮影に東京まで行ってきました。
雑誌の撮影と違い、何人ものスタッフの方が作業をしていて、独特の緊張感があり、見ていて非常に面白かったです。

さて、いきなり話は脱線しちゃいましたが、前回の話の続きは・・・変形コンセプトですね、そうそう!

このマニューバ・ブレードはガーランドのデザインをされた荒牧伸志氏によるものですが、変形機構のおおまかな部分ではでき上がっているものの、細部においては未完成のところが何カ所かありました。
なので、自分のオリジナルの解釈によるものもあります。
その辺は荒牧氏に直接お会いして、「ここはこんな感じでいっちゃっていいですよね!」と直談判をしてから、考えていきました。
一次原型の監修の際には、そういった部分で荒牧氏にご覧いただく際に「どーすか、こういう攻め方は!」といった、わりと挑戦的な気分で持って行きました。
ご本人には喜んでいただけ、「オオッ!」とかのリアクションもいただけたので、期待通りというか何というか、うれしかったですねー。

おおっと、また脱線だ。
イカンイカン。
だいぶ長くなっちゃったので今日は簡単にいきましょう。

変形コンセプトというか、守りたかったことは、差し替えとかが無いのは当然のこととして、路上で走りながら形が変わっていく機体なのでそれができるようにしよう、ということです。

荒牧バイクロボの伝統で前輪が肩周りに移動していきますが、バイク時と人型時では接続している場所が違います。
つまり、一方の形態の時には別形態時の接続箇所ははずれているということ。
これが、ものすごい勢いでかっ飛んでいるときに行われるわけですから、外した部品を一回路面に置いてー、もう一回それをくっ付け直してー、とかは絶対やらないはず。

また、はずれた部品を光線がビビビと出て空中に保持している・・・なんていうキャラでもないですよね。
なので構造的に接続のオン/オフとそれぞれの接続場所への移動がきっちりやれるようにしなければいけませんでした。
このためにギミックや部品がさらに複雑になっても良しとしました。

この辺の細かい説明はまた後日ということで。

というわけで、変形バイクロボには特別な感情がある自分でありました。
ホントは乗りたいぐらいなんだけど、今はミニチュアを作るので我慢・・・。

今回は以上!

by 高島

©2008 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc

2009 年 6 月 26 日

完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ> 090626

いよいよ「完全変形マニューバ・ブレード」発売開始の時期となりました。
組み立ての現場は、いつも以上の細かい部品構成にヒーヒー言いながら作業にあたっています。
ガンバレ! お届けまであと数日です。
楽しみにお待ち下さい。

さて、今週からは恒例の構造解説をしようと思います。
毎回、作品を作る度にテーマは変わります。
今回のテーマは「バイクらしさ」です。

 

マニューバ・ブレード(以下MB)は通常のロボット物に比べてスケールの値が大きいので、その分細部のディテールが目立ちます。
資料としていただいたCG画像で確認できるディテールの再現が、すなわちスケールとしての説得力を持たせるのに一番と考えました。
ゴムタイヤに入っている刻印なんかは、そういう意味でとても大切です。
コックピットの開閉機能もこのコンセプトのうちです。
ライダーが搭乗しているのが見えるのとそうでないのは大きく違います。
無理をしてでも見せる必要があるのです。

ということで、非常に細かい部品構成となったわけです。
その分、組み立ての手間はグンと増えてしまいましたが、それだけの苦労をしても良い雰囲気になりました。
組み立て班、がんばれ!
次回は、変形コンセプトに触れたいと思います。

今回は以上!

by 高島

©2008 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc

2009 年 5 月 28 日

近況報告 090528

現在はまた設計の方に仕事がシフトしているので、絵的に見せられるものがなくて残念。
『ネジ流アクション ゲッター號』の通販特典の作業がまだなので、来週はこれを見せられるかな?

あと、『完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ>』の着色が上がりました。
もうすぐ、紹介ページの方で公開できると思います。
ちょっと、すごいゾ。
お楽しみに。

今回は以上!

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