2008 年 1 月 10 日

完全変形ダンクーガ ノヴァ 080110

高島 肇 — Filed under: 完全変形ダンクーガ ノヴァ @ 3:34 PM

明けましておめでとうございます。

新年、明けて第1回目のヒミケンは『完全変形ダンクーガ ノヴァ』です。
どこの話しましょうかね? あ、そうだ、頭いきましょう、頭。


一番最初に設定を見た当初は、一体どこから顔が出てくるのかさっぱり分かりませんでした。
その後、じっくり見てみると、どうやら、機首がぱっくり折れてその断面に現れているよう。
そもそも、断面内部の丈と顔に必要な高さは全然違います。
色々考えた末に、ノヴァイーグル内部に寝た状態で内蔵させて、機首を曲げると同時に、ズルズルズルッと引きだされる、というアイディアが浮かびました。
その後、機首断面はカブトとしての高さも必要だということに気付き、高さを加えたところ、先に書いた顔面の引き出しは、ギリギリ回転運動のみでフォローできるのが判明。
結果、ヒューマロイドモードの胸パーツと顔面が一体になった、面白部品ができあがりました。


両サイドのインテイクも各モードに合わせて回転するので、これの軸位置も調整して同軸線上に設定しました。
問題は、ネジの頭がもろにインテイクの内部を通っちゃうこと。
頭インテイクはデザイン上とても大切な部分なので、さすがにネジをドカンッと通しちゃうわけにはいきません。
悩んだあげく、二重構造で対処することにしました。
インテイク本体と頭本体及び顔面/胸/機首パーツとをネジで固定した後に、さらにネジ頭の上にインテイク先端のパーツがかぶさるようにしました。
メンテ用に取り外しもできるようになっています。
これはダンクーガ ノヴァの他の部分でも使っている方法です。 

他にも主翼先端の手首の入れ替え、ヒューマロイドモード顔面のどんでん返し、脚部の伸縮等、特徴的なギミックがありますが、その辺の話は今回は省略。

今回は以上!

by 高島

©藤原忍/ダンクーガ ノヴァ製作委員会

2007 年 12 月 27 日

完全変形ダンクーガ ノヴァ 071227

高島 肇 — Filed under: 完全変形ダンクーガ ノヴァ @ 3:41 PM

『完全変形ダンクーガ ノヴァ』の構造解説、再開です。

一つの空間に多数のギミックを仕込むに当たって、様々なパターンがありますが、ダンクーガ ノヴァの腕のようなパターンは、かなり大変な部類に入ります。

以前に条件を列挙したように、多くのパーツを引き出さなければいけないのですが、全てのパーツを収容した状態(ヴァリアブルタンクモード)があまりにもコンパクト。
手首のない腕部分が使用可能空間の全てで、これをそれぞれのパーツに割り振らなければいけません。


まず、上腕と下腕をつなぐ関節(ヒジ関節ではなく)。
ヴァリアブルタンクモードで下腕は、ヒジとは別の動きが必要となるため、ヒジ関節のほかにもう一つ可動軸を設けます。
しかもここは、その他の形態時には下腕の中にめり込まなければなりません。
そのための空間をまず確保。

下腕の向きも各モードに合わせて回転させる必要があるので、ブーストノヴァナックル時の取り外し機能も兼ねて、カギ式のロック方式にしました。
ただし、前述の通り、形態にあわせて回転させるので、そのときにポロポロ外れては困ります。
ですので、ロック解除用の回転角度は、ぎりぎりいっぱいの300°ぐらいまで回すように設定しました。


次に、アグレッシヴビーストモードのツマ先。
これはゴッドビーストモードの爪の展開と同軸になるため、収納時はこの軸を使って、内側に回り込んだソデ口の位置になります。


これでもう、使用可能な空間は下腕の中央部しか残ってませんね。
ここにコブシと断空砲の砲口を入れます。

コブシは、キャラクター全体のイメージを左右しかねないパーツなので、腕全体のシルエットで見て、なおかつ収納空間のぎりぎり許せる範囲までのサイズを割りだします。
まあ何とかなりそうです。
このコブシの移動用ヒンジは、このために空間を割くのも勿体ないので、アグレッシヴビーストモードのツマ先収納時、反対側に空いている空間に配置しました。
現物をお持ちの方は分かると思いますが、コブシが引きだされるときにトリッキーな動きをするのは、そのためです。

さあ、もうビッチビチ、余っている空間はありません。
でも砲口ユニットは?
もう入れる場所がありません。
ホントにないですよ!

次回に引っ張ります。
今回は以上!

by 高島

©藤原忍/ダンクーガ ノヴァ製作委員会

2007 年 12 月 6 日

完全変形ダンクーガ ノヴァ 071206

高島 肇 — Filed under: 完全変形ダンクーガ ノヴァ @ 3:47 PM

前回の『完全変形ダンクーガ ノヴァ』の胸の話は、分かったでしょうか?

書いてる本人も一苦労だったので、読んでる方は、マジでチンプンカンプンだったと思いますが、実はその辺のことを知ったうえで書いていたりします。

お買い上げいただいた皆さんの、お手元に届いた作品の構造の背景には、前回の解説のような事を延々と考え設計・製作した人間がいる、ということを少しでも理解していただけたら、と。
小学生ノリで「あ、意味分かんないけど、ここ曲がるんだ。ワ〜イ」な有様だとあまりにも哀しいですし、作品そのものとあの解説で、ある程度、皆さんとの思考実験のやり取りができるとおもしろいな、と思っているわけです。
なぜ? から始まって、こうなりましたという結論までで、ストーリーを共有できると、面白いでしょ?



さてさて、それでは次に、腕の話をしたいと思います。
模型誌の方でもちょっと書きましたが、紙面の都合上、解説と呼べるほどのものは書けませんでした。
細かい内容は、また次回に送りますが、今回は各形態ごとの画像をご覧になって、自分でも考えてみてください。
形態の条件数はこれも山程あります。

とりあえず、今回は以上!

by 高島

©藤原忍/ダンクーガ ノヴァ製作委員会

2007 年 11 月 22 日

完全変形ダンクーガ ノヴァ 071122

高島 肇 — Filed under: 完全変形ダンクーガ ノヴァ @ 3:55 PM

今日は、前回の『完全変形ダンクーガ ノヴァ』の続き。

前回、胸ユニットの中で必要な諸条件を書き出しました。
前にも書きましたが、非常に狭い同空間を使わなければいけません。
ただ、今回の作業で有利な点が一点ありましたので、そちらの方を先に書いておきましょう。

『完全変形ダンクーガ ノヴァ』は、かなり元の設定画を誇張してシルエットを出しています。
もともと同作の大張監督は、格好良い演出のためなら作画時にがんがんデザインを変化させて描く人なので、立体物の方も、大張監督がやりそうなディフォルメを予想しながらアウトラインを決めました。
以前、大張作品の立体物に関して第一人者の原型師である、森口あらん氏にお会いした際、「どうすれば、あんな大張ラインを出せるのか?」とお聞きしたとき、森口氏からは「心で描きます!」とのお言葉。
いや、全く分かります。

長くなりましたね。
ここから冒頭の話に繋がっていくわけですが、胸(機首)のラインを今回は大きく前に引っ張り出しました。
前方方向に引き出すことによってスピード感を出して、アピールしようと思ったのです。

で、胸を前方に伸ばした結果、その内部の空間がキャパシティとしてプラスされることになったわけです。
ちょっと説明くどかったですね。

さて、いよいよ内部の構造の話に入ります。
参考用に内部フレームの画像を用意しました。
これを見ながらでないと、説明は分かりにくいと思います。

まず、ノヴァの各キャラクターの機首及び頭部の変形は回転による入れ替えがデザイン画の段階で決まっていますので、これを基本とします。ただし、ノヴァエレファントは諸条件が多いので、もう一工夫が必要です。機首パーツの回転運動とは無縁の状態で、ノヴァイーグルの脚部の収納と、ノヴァエレファントのヒューマロイドモード頭部の収納を行わなければいけません。
これの解決策が出るまでは、長い長い試行錯誤があるのですが、そっちの方は省きます。

解決策としては、それぞれの形態に合わせて各パーツが移動する、という方法。
・・・あー、解答の文章になっていませんね。
どうやって書けば良いのかな?
とりあえず各パーツの位置を形態別に書き出してみます。

ヴァリアブルタンクモード

機首は正面、アグレッシヴビーストモード顔は、同じく機首の内部で正面を向いている。
ヒューマロイドモード頭部は、アグレッシヴビーストモード顔の裏側(ヒンジでアグレッシヴビーストモード顔とのみ繋がっています)、機首/頭部変形モジュールのもう一つ外側の回転モジュールで90度起き上がっている。
アグレッシヴビーストモード牙・耳・鼻はこの動きで、機首/頭部変形モジュールが引き出されて空いたスペースに内蔵。

アグレッシヴビーストモード

機首は180度回って内部、アグレッシヴビーストモード顔が露出される。
機首ユニットは、後方及び底面が空いている、がらんどう構造ため、ヒューマロイドモード頭部は、そこをくぐって同じ位置に配置されている。

ヒューマロイドモード

機首は正面、アグレッシヴビーストモード顔は、同じく機首の内部で正面を向いている。
ヒューマロイドモード頭部は、アグレッシヴビーストモード顔の裏側からヒンジを使って立ち上がり、胸の上部に露出。
アグレッシヴビーストモード牙・耳は、胸内部空間に収納。

合神モード(ノーマル)

機首は正面、アグレッシヴビーストモード顔は90度回って下を向き、空いている機首の底面部分に配置、これにあわせて、アグレッシヴビーストモード顔裏のヒューマロイドモード頭部は、機首の内部に収まっている。
アグレッシヴビーストモード牙は、胸内部空間の左右に、開いて収納。
これらにより、ノヴァイーグル脚部の空間を確保。

ゴッドビーストモード

機首は180度回って内部、アグレッシヴビーストモード顔が露出される。
ノヴァイーグル脚部は、上を向いている機首底部に突っ込む形になる。
ヒューマロイドモード頭部は、ノヴァイーグル脚の前ギリギリまで引き込まれる。
ノヴァエレファント・ヒューマロイドモード頭部を抱え込む形で、ノヴァイーグルが、ゴッドビースト形態に変形する。
ノヴァエレファント・アグレッシヴビーストモード牙・耳・鼻は引き出されている。

以上となります。分かったかな?
書いてる自分が分からなくなっちゃいそうなので、多分、分からない人の方が多いと思いますが、こうなります。

とりあえず、今回は以上!

by 高島

©藤原忍/ダンクーガ ノヴァ製作委員会

2007 年 11 月 15 日

完全変形ダンクーガ ノヴァ 071115

高島 肇 — Filed under: 完全変形ダンクーガ ノヴァ @ 1:30 PM

今のところ、仕事が一段落したところなので、そろそろ『完全変形ダンクーガ ノヴァ』の構造解説等を始めたいと思います。

通常、近年のロボットアニメは、スポンサーが製品化を前提にしているものが多いため、デザイン的に、アニメというメディアが持ついい意味での「現実味のなさ」…ケレン味とでもいいましょうか…それが、今一つ感じられないものがあります。
もちろん、多くの番組あるいは作品は、スポンサーがいないと制作できないため、これ自体は絶対必要なことなのですが、立体物を作る側がデザインを左右できる立場にあると、どうしても「立体物を作るうえで」安易なデザインに流れてしまいがちです。

自分でも、自身でデザインしたものを作りますので、つい、苦労をしない方にデザインをもっていってしまう、ということが生じてしまうのもわかります。
さらに、原型を複製して多くの方に向けて販売する、ということを生業としていますので、生産するうえで、コスト的なものを考慮しなければならない理屈も、とてもよくわかります。

ただ、どこかで無理をしなければ、面白さ(ドラマ、すなわち「売り」のポイント)が発生しないのも事実なのです。
色々な意味で「普通の」製品を作るのにはこれで十分なのかもしれませんが、少なくともウチが仕事をするには全然、動機が足りないのです。

今回の『完全変形ダンクーガ ノヴァ』はそういう意味で、安易な方向にデザインが流れていないため、立体化の作業は熾烈を極めました。

ウチが立体作品を製作するのが決まったとき、大張監督には、「とにかく(監督は)格好良く描いてくれればいい! ギミックの方はこっちでなんとかするから!」というような話をしておりました。
・・・ホントに大変なモン描いてくれるんだもんなー。
おかげさまで、作品からは妙なオーラが悶々と出るようになりました。

さて、前置きが長くなりましたが、まずはノヴァエレファントの話から。
何をおいても、一番大変だったのはエレファントの頭がある、ダンクーガ ノヴァの胸部分。
今回のダンクーガ ノヴァの特徴として、特定の部分にギミックが集中する、というのがあります。
胸は、その最たるもんです。

条件を列挙しますね。



1.ヴァリアブルタンクモードの機首の収納
2.アグレッシヴビーストモード顔の収納
3.ヒューマロイドモード頭部の収納
4.ヴァリアブルタンクモードからヒューマロイドへの、機首・アグレッシヴビーストモード顔の移動
5.アグレッシヴビーストモード牙の収納
6.同じく耳(ヒューマロイドモード左右胸部)の収納
7.合神時、ノヴァイーグルの脚部が入るスペース


これらは全て同一の空間を使用します。
さあ、あなたはどうしますか?
何? 差し替える?

ブアゴオオオオオッ!
(高島、愛のダメ出し100年パンチ)

解決策は次回で
 
今回は以上!

by 高島

©藤原忍/ダンクーガ ノヴァ製作委員会

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