2017 年 9 月 22 日

「可変エスカフローネ復刻の道!」 170922

高島 肇 — Filed under: 可変エスカフローネ,天空のエスカフローネ @ 4:27 PM

もう少しでエスカフローネは原型の仕上げ研磨作業が終了するところです。作業がどうにも地味なんでね、集中力を維持するのに苦労しています。

で、先日またもや事件が発生。
竜の翼関係は一連の成形テストのため、先に仕上げを終わらせていました。
今回別パーツ化した翼裏側の骨状の細かいパーツを、現在研磨が続いている本体パーツとは別の場所にしまっていたはずなんですが、これがどこにも見当たりません。

いやー・・・、またやらかしてしまったようです。全くもってお恥ずかしい話です。
ひとまとめに袋に入れてヒョイっと置いていたのが災いしたようです。
つい先日、フィギュアの頭部を失くしたばかりなんで、ちょっとショックが大きかったです。

失くなってしまったものは仕方がないので、急遽新しく作り直さなければいけません。
これは以前のレポートでも書いていた、エポキシパテを使って作ったかなり面倒なパーツです。

あれをもう1回やるのは気が重いので、別の方法を試して見ることにしました。今回は3Dプリンターを使います!

実は先日、待望の3Dプリンターを導入しました。こいつです。
esca170922a
今年の夏のワンダーフェスティバル等のイベントでこの機械での出力品を色々と見せてもらいました。
仕上げの際の研磨作業の軽減にかなり期待ができそうです。
実際に、この機械が活躍するのは次回の新作の出力時となりますが、いきなり本番でサクサク使用できるとも思えませんので、諸々のデータ収集と練習をあらかじめやっておきたいと考え、導入を決意しました。
もう個人レベルで買える価格帯になってきたとは言え、それなりの金額のため、これから長〜いローンが続くのが少々気が重いです・・・。

さて、原型の方の話に戻ります。
前回は翼本体のカーブに合わせるため、エポキシパテを押し付けて硬化後に削り込んで部品を作りました。
今回はこれをCADで作りますが問題はこの翼のカーブで、これはCADソフト内に反映させるのは非常に難しいです。
これは3Dプリンターの特性を利用します。

今回導入した3Dプリンターで出力した部品は出力直後は柔らかい状態で、紫外線を使って二次硬化させる必要があります。
まずスキャナーで取り込んだ翼本体の画像に合わせて、CADソフト内で骨パーツを作ります。
この段階ではまだ平面状に作った状態でわざと長めに作っておき、これを3Dプリンターで出力。
出力終了後、翼本体にムリムリっと押し付けてマスキングテープで固定。この状態で数時間日光にさらします。
esca170918a
カーブに沿って硬化したのを確認後、翼本体にサイズを合わせて両端を削り落とします。
翼本体の接合用ダボ穴にエポキシパテを充填し、骨パーツを再度押し付けて硬化を待ちます。
esca170918c
esca170918b
これを外した後、研磨を行い部品完成。
esca170922b

3Dプリンターのおかげで、部品の作り直しによるタイムロスも最小限に留められました。
前回は硬化待ちを入れて2日ほどかかっていましたが、今回は半日程度で済んでいます。
ホント、便利になりましたねー。

今回は以上!

by 高島
©サンライズ
※こちらの写真に使用の画像は開発中のものです。
各部品の形状等は今後、修正・変更される場合がございます。

2017 年 9 月 16 日

大完全変形超銀河グレンラガン 170914

脚部モデリングが一段落したので、今回より腕パートに入ります。
脚部の時にはあーでもないこーでもない、と振り回されましたので、だいぶ勘が戻って来ました。
腕部の作業はいくらか速くなってくるのではと期待してます。

さて、腕部を作り始めましょうか。
一番最初のアウトラインから始めます。
スキャニングしてある手描きのスケッチの線の上に2Dの線をなぞって、輪郭のガイドを描いていきます。
hg_grlg _170904a
手描きスケッチよりも少し上腕は長くしたいので、スケッチの位置はやや下にずらしてあります。

輪郭ガイドラインに合わせて腕のモデリングを開始します。
作業をしやすいように全体を垂直方向に角度を変えてあります。

設定画を見ると、上腕断面は正方形の各辺中央が膨らんでいる形に見えます。
2Dで1辺を描き、90度づつ回転させて結合して完成。
hg_grlg _170904c
これをNURBS化して複製配置、輪郭に合わせて膨らんでいるところすぼんでいるところの断面はサイズを変え、ソリッド化。
hg_grlg _170904dhg_grlg _170904e
上腕下面で角が落ちているところがありますので、ここだけ別に断面を用意してソリッド化。
hg_grlg _170904g
2つのソリッドを噛み合わせます。
hg_grlg _170904h
これで上部はカーブして、下面部分で角が立っている形ができます。
これは上のソリッドを長く作って、下面エッジを面取りしても作れます。
自分が使用しているソフトでは面取りとフィレットは計算の負担が多くなるのか、ソリッドにバグが出やすいので、ソリッドを分けて作っています。
上腕した部分も同じ手順で作ります。
hg_grlg _170904h2

下腕の作業に入ります。
下腕本体断面の円を描き、NURBS化した後アウトラインに合わせて複製配置。
hg_grlg _170914a
袖口は平行なラインなので、上腕と同じく断面を別に用意します。
各断面をソリッド化後、噛み合わせます。
hg_grlg _170904j2hg_grlg _170914b
次は下腕外側装甲です。外側装甲の断面は半円中央にエッジが立っている形です。2Dでこの図を描き、NURBS化。
断面を複製配置してシルエットのガイドラインに沿ってサイズを変更します。
hg_grlg _170914c
ソリッド化します。

ヒジ部分にドリル基部が付きますので、同じように断面を作りソリッド化。
hg_grlg _170914d
装甲本体とドリル基部の合わせ目は1段低くなっているようなので、良い位置に切り込みラインが来るように調節した削り込みソリッドを作り、装甲本体を削ります。
hg_grlg _170914e
先端部の削りは雰囲気を見るための仮のものです。
ドリル基部の末端を削り、装甲本体と噛み合わせます。
hg_grlg _170914f

次は各ドリル孔とディテールの削りを行います。
手順は以前の脚部と同じです。各削り込み用のソリッドを用意し、削り込みます。
hg_grlg _170914g
hg_grlg _170914h
一気にここまで出来上がりました。
hg_grlg _170914i

次回は手首部分です。今回は以上!

by 高島

(C);GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KONAMI・テレビ東京・電通

2017 年 9 月 12 日

大完全変形超銀河グレンラガン 170907

前回はスジ彫りディテールを入れて、スネと足首のモデリングを一通り終わらせました。

腿周辺と合わせて全体の仕上がりを見て見たところ・・・う〜ん、なんか違うなー。
hg_grlg _170831a1
hg_grlg _170831a2
正面で見ると腿とつながるあたりのラインが広すぎます。
足首のバランスもまだ幅がありすぎる感じ。
全体の印象として絞るところと広がるところのメリハリがまだ足りないですね。
また、スネの側面はエッジを立てていましたが、改めて設定画を見てみると、ここも違うような・・・。
カーブになっているところにスジ彫が入っているのが正解では?
時間が経つと、最初の時とだいぶ見方が変わって来てしまいますが、最新のものがベストと考えるようにしています。

スネの断面の形は何度もやり直して随分時間をかけて作って来たため非常に惜しいのですが、やはり気に入らないものは気に入らないのでボツ!
あー、もう何度目だろ、こういうの。いつになったら最初っから正解のラインや面をピシーッと出せるようになるのでしょうか?嘆かわしいです。

さあ、気を取り直して作業再開です。
スネの元の形状だけ変更して、工作の履歴の最深部に潜って、ソリッドだけを入れ替えればいいので、思っているほどは時間は取られないでしょう。

またスネの各断面の作図からやり直しです。
今回はスネの最上部の断面から作図。腿とのバランスを見ながら、後部フクラハギとの接続位置を意識して幅を変更。
hg_grlg _170831b1
これをNURBS曲線化。これを基礎材料として各断面の形を作ります。特定のNURBSを基礎とするのは、各断面の頂点数を一致させるのが目的です。
2D画像でそれぞれ描いた場合、2D時点で頂点数は同じでもNURBS化する際にソフトの勝手な判断で頂点数が変えられてしまう場合があり、非常に厄介です。
頂点数がバラバラの状態でソリッド化すると、各頂点がぐちゃぐちゃなつながり方をして、それはもう大変なものが出来上がります。
各断面は同一のNURBS曲線の形をいじって、形を変えて作ってしまった方が無難です。

まずはスネ中間部の断面(上から順に見てCと呼びます)。まず最初に作った最上部の断面Aをコピーして、断面Cの所定の位置に移動させ、正面と側面のシルエットのガイドラインにサイズを調整。
hg_grlg _170831b2
その後、各頂点を移動させて、下の図の形に形状を変えます。
色も見分けやすいように最上段とは違うグリーンに変更。

スネ中間部断面のNURBS曲線ができたので、今度はこれと最初に作った最上部の断面Aとの中間の断面Bを作ります。
最上部の断面A、中間部断面Cを重ねて見て、各頂点を繋いだガイド線を描きます。
hg_grlg _170831b5
次に基礎断面Aをペースト、所定の高さに移動させ正面と側面のシルエットのガイドラインに合わせてサイズを調整。
次に、ソリッド化の際に断面Aから断面Cに表面ラインが綺麗につながるようにするため、断面Bの頂点をこのガイド線の近いところに位置するように調整します。断面AとCの間に位置するものなので、ガイド線中心に近い方が良いでしょう。
線の色はブルーに変更。
hg_grlg _170831c3

スネ下半分の要領も同じです。最下段断面Dを作った後に、これと断面Cを元に断面Eを作ります。
出来上がった各断面です。右側が旧断面。新しい断面は形状の要素が一つにまとまっているので、だいぶスッキリしています。
hg_grlg _170831f

新断面をソリッド化します。これをスネパーツの履歴最深部に潜り、旧ソリッドと入れ替えます。
hg_grlg _170831g
スネパーツ脇のエッジが立っていた部分は今回はスジ彫りで表現するので、2Dでスジの形状を側面方向で描き奥行きを与えます。
hg_grlg _170831i
先ほど作った新スネソリッドでシェルを作って、筋彫り用ソリッドを作ります。工程は前回ディテール彫りと同じ要領です。
hg_grlg _170831k
hg_grlg _170831k2
筋彫り用ソリッドをスネの削り込み履歴に潜って、ちょうど良さそうな階層に置いてきます。
hg_grlg _170831k3
前回のディテール彫り等の履歴も新しいスネソリッドをに入れ替えて変更。
これで新スネパーツが完成しました。

足首も同じ要領で新断面を作り直して、新しくします。

完成したものを旧パーツと並べて比較してみましょう。左側が新パーツです。
hg_grlg _170831o
hg_grlg _170831p
hg_grlg _170831q
各位置のシルエットのメリハリが出ています。足首のボリュームもスッキリしています。

・・・やっと納得いきました。合格です。ただ、今後も何かの理由で作り直しが発生するかもしれません。
その時には、今回の工程の労力は惜しまずに潔くやり直したいですね

今回は以上!

by 高島

(C);GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KONAMI・テレビ東京・電通

2017 年 9 月 4 日

大完全変形超銀河グレンラガン 170904

前回と同じく表面の削り込みの作業です。
スネ側面の模様を削り込みます。

これは以前のヒザ頭のディテールと同じようなやり方になります。
各モデルの表面のスジ彫りや削り込みディテールは表面の形から平行に1段下がっているものが多いですね。
表面のデザインが真っ平らなものであれば、ラインやディテールの形を描いた図形に奥行きを持たせたソリッドで削り込めばそのまま出来上がります。
ただ、表面が真っ平らなデザインのパーツではない場合の方が多いのが実状なので、そんな簡単にはいきません。

それでは作業を順番に追っていきましょう。
まずは側面から見てディテールの形を2Dの図形で描き、それに奥行きを与えます。このソリッドで本体スネソリッドを削るわけです。
hg_grlg _170825b
次に本体スネパーツの履歴に潜り、一番深いところにある基礎形状のソリッドをコピーして、別のレイヤーに上がってペースト。
hg_grlg _170825d
これをシェル化します。厚みはディテールの深さの数値にします。
hg_grlg _170825e

このシェルをコピーした後、元のソリッドに戻します。先ほどのコピーしたシェルを同位置にペーストした後、これを使って元のソリッドを削ります。
これでディテールの深さ分、一回り小さいソリッドができます。
hg_grlg _170825f
最初に作ったディテール彫りソリッドを、この一回り小さいソリッドで削ります。

hg_grlg _170825g
こうなります。スネ本体の表面カーブから平行に深くなっている削り込みソリッドができました。
hg_grlg _170825h
これで本体を削ります。
hg_grlg _170825i
仕上がりはこうなります。表面から平行に1段低くなったディテールができました。

次はフクラハギのエグリ込みです。
ここはちょっと変則的です。後ろ側のエグレのエッジがそのままエグレ底面になっており、さらに底面に角度がついています。

hg_grlg _170825j
まずはスネ側面と同じくエグれの形を側面方向で2Dで描き、それに合わせて長方形を描きます。
hg_grlg _170825k
長方形に奥行きを与えてソリッド化、本体の履歴に潜り側面彫の同じ階層に置いて来ます。

これでフクラハギのエグれのエッジラインが出たので、このラインの形状を抽出します。
hg_grlg _170825kl
このラインを元にして画像のような図形を作り、NURBS化した後コピーとペースト。フクラハギのエグれソリッドの底面になるよう角度をつけて配置します。
hg_grlg _170825o
hg_grlg _170825p
これでエグれソリッドを削り、先ほどの本体履歴に潜ってエグれソリッドを入れ替えます。
hg_grlg _170825n
これでフクラハギのエグれディテールも完了。

脚部のモデリングはこれで一通り完了です!
hg_grlg _170825u
仕上がりを見て見ましょう。いやー、これで脚部作業も・・・・ん〜?これはちょっと・・・。

今回は以上!

by 高島

(C);GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KONAMI・テレビ東京・電通

2017 年 9 月 1 日

「可変エスカフローネ復刻の道!」 170901

高島 肇 — Filed under: 可変エスカフローネ,天空のエスカフローネ @ 2:19 PM

エスカフローネの最後の加工作業が終了しました。
あとはひたすら研磨するのみです。
本体も間も無く1回目の研磨が終了します。
この後、サフを吹いた後に補修して2回目の仕上げ研磨を行います。

さて、今回は竜形態に搭乗する主人公の王子様とヒロインの女子高生のフィギュアのパーツ分割作業の話。

王子様は20年前の初回発売時に同梱、女子高生はその数年後の再販時に新たに加えたものです。
物語上、ヒロインが主人公にしがみついて竜に乗っている、という絵がしっくりいくと思ったんですね。

当時はムクの状態のレジンで成形していましたので、本体同様色分けなどは一切ない、一体成形の状態です。
腕と剣のみ別パーツですね。

で、今回はこれらも本体に合わせてできるだけカラーリングを再現しよう、ということで大まかな色に合わせてパーツ分割を行いました。
やり方としてはオリジナルの原型を何個か複製して、対象となる色の部分だけを残してあとはゴリゴリ削り落とします。
胴体のスカートと上着なんかの部分は割と簡単にできますが、髪の毛と頭部の分割はなかなか大変です。
ニッパーで大雑把に削った頭の内部をモーターツールでガリガリ削っていき、もう一方の髪の毛を削り落とした坊主頭がすっぽり入るように何度も確認しながら削っていきました。
主人公の髪の毛パーツは直径約6ミリ、ヒロインの方は約4ミリです。
これの内側をモーターツールでガリガリ削り広げるわけです。
油断しているとモーターツールが跳ねて他の場所やら指を削っちゃうんで、まあ怖いのなんの。
非常に集中力を要します。
その後は、坊主頭に密着するようにエポキシパテを充填して、硬化後に外せば完成です。あとは磨くだけです。

で、ここで事故発生。
作業机の上に置いていた、加工完了後の全パーツを入れた箱にうっかり腕を引っ掛けてしまい、床にぶちまけてしまいました!

必死に這いつくばって部品を探しました。
も〜、画像を見てくださいよ!これらわずか数ミリのパーツ全部が床にぶちまけられちゃったわけです。泣けてくる・・・。
esca170901
左がヒロイン、右が主人公のパーツ群です。

その後、なんとか各パーツを拾い集めたのですが、どうしても主人公の頭が見つかりません。
おそらくもう想像もつかない、とんでもないところまで転がって行っちゃったんだと思います。
2時間ほど捜索を続けましたが、これ以上は時間が勿体無いので、捜索は断念。再度また複製を削って作り直しました。
これに合わせる髪の毛と胸のエポキシパテの充填作業もやり直しです。
うっかりミスで半日近く時間を無駄にしてしまいました。・・・あー悔しい。

現在は、このフィギュア部品も研磨を行なっていますが、またぶちまけないよう袋に封入して管理しています。
今度やったら、まちがいなく心が折れます。
今回は以上!

by 高島

©サンライズ
※こちらの写真に使用の画像は開発中のものです。
各部品の形状等は今後、修正・変更される場合がございます。

© STUDIO HALFEYE