完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ> 090820
今日は『完全変形マニューバ・ブレード<バージョン サイキ>』の話の続きです。
前回は前輪と肩周りの変形コンセプトについての話をしましたが、今回は構造の話にしましょう。
前にも書きましたが、腕/肩ユニットは胴体への接続場所が、バイク形態のときとロボット形態のときで違っています。
ユニットが形態によってくっついたり離れたりしなければならず、立体を作る立場にはつらいデザインです。
設計のアイディアを練っている当時は、どうしたものかと途方に暮れました。
そのときに突然気が付いたのは、このデザインはバイクからロボットへ変形をするには非常にムダのないデザインだということです。
通常、何かのユニットが別の場所へと移動するにはアームなりスライド機構なりの移動モジュールが必要ですが、マニューバ・ブレードの場合は、実際の腕のパーツが文字どおり移動用のアームとして機能するわけです。
他には何も必要なし。
もともと関節として複雑な動きができるようになっているので、変形時の複雑な動きにも当然対応できます。

バイク時は手首側が胴体に接続していますが、どういう風に接続してるんでしょうか・・・
答えは簡単、手が胴体側のパーツを握っているんです。
で、バイク時でのこの接続部分のリリースはパッと手を離せばいいだけ。
ウ〜ン、シンプルだ・・・
感心しました。
ただ、立体化の仕事をするにはシンプル過ぎて取りつく島がありません。
ミニチュアの手の握力に、車体全体を維持するような力は求められません。
そのため、手首と入れ替わりに接続用のボルトが腕の中から出入りする機構を考えました。
この腕ユニットのボルトのホールド/リリース(握ったり/離したり)は、本体胸部モジュールをスライドさせることにより機能させています。
ついでにこのスライドの動きで、バイク時には裏返っている頭部が180°ドンデン返って現れるためのストロークを得るようにさせました。
一石二鳥!

さらに、バイク時の車体(ボディ胸部)横に取り付けてある各武装が非常に邪魔です。
この場所は、ロボット形態時には肩である前輪がザコッ!と噛み込むところなので、武装が接続されたままではこの動きができません。
もちろんこのパーツも変形時、一旦外したあと路上に置いてー、なんて動きはできません。
以前、メカデザインをされた荒牧伸志氏にこの点を質問したところ、まず左右に割れた前輪が近づいて、裏側に武装をぺたっと張り付けて本体側から移動させた後、今度は前輪自体が本体横のドッキングモジュールに接続し直す、とのこと。

一応、デザイン上の答えはいただきましたが、言われた通りに前輪がぺたっとは簡単にはいきません。
結局、武装自体にも、起き上がって前輪裏側に接続をする補助ギミックを入れました。
これでなんとか本体側から前輪裏側への武装の受け渡しができるようになりました。

まったくね、こだわると大変な思いをしちゃうわけですが、まあそこがウチの作品のギミックの面白さの源なわけなんで、やめるわけにはいきません。
はい、ということで、腕の話はおしまい!
今回は以上!
by 高島
©2008 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc